1938年5月21日「津山30人殺し」の世界「丑三つの村」。
- 昭川和子
- 2024年7月27日
- 読了時間: 7分

(※本記事は旧サイト昭和93年5月21日の記事のアイルビーバック投稿です。)
2018年06月18日
国民の皆さん。 こんにちは赤ちゃん。
ヒハ(FIFA)ワアルドカップ露西亜大会も盛大に開催され、中には夜通しサッカー三昧で寝不足だというナウでヤングな方もいらっしゃることでせう。(※私が開幕戦を占って大ハズレ判定された蹴球大会でつね。勝敗は当たったのにね。昭川)
しかし そんな幸せな夜とは裏腹に、我が日本国ではかつて夜通し村を駆け巡り、30人もの村人を猟銃や刀で惨殺して回ったのちに夜明けと共に自らの命を絶ったという「イカレポンチ」という言葉では言い表せないくらいアッパラパーな《都井睦雄》というオノコがいました。
今回はその彼の引き起こした「津山事件」を題材にしたノンフィクション作家《西村望》氏の「丑三つの村」という小説を原作とした映画作品についてズームイン!朝!して参りたいと思います。

時は「津山事件」と同じく戦時の日本。 話は「ビートきよし」氏演じる《赤木巌》という青年が軍に入隊すべく、華々しく村から汽車で出征していく場面から始まります。(※赤木巌君、バンザーイ!ってヤツね。戦時であることも事件の背景に関わるだけに重要な冒頭シーンと言えるかな。昭川)
主人公の名は都井ではなく《犬丸継男》(つぎやん/役:古尾谷雅人)という非常にアバンギャルドな名前で、家では「おばやん」と二人で暮らしています。 成績が良く村でトップレベルの秀才であることは都井と通じていて、内容的にもかなり「津山事件」の細かい背景をそのまんま表現しているので、ある意味この作品に興味を持った人を裏切らない内容と言えるかもしれません。(※トップレベルであるかは情報源によってニュアンスがことなる気がする。昭川)

あの事件の背景には【夜這い】というシビレル大人のランデブー習慣がありますが、「丑三つの村」の世界でもそれがある様で、継やんも一見ピカイチな優等生の様に見えて「パープリンな先輩」から貰ったオナゴのエロい写真見つめてはこっそりイチモツをモミモミする様なバリバリのムッツリスケベだった為に、一度夜這いを覚えるとイケイケドンドンで村のあのオナゴやこのオナゴと関係を持つやうになります。(※継やんのまなざしw。今の時代はインターネッツを中心に経験がなくても色々なエロコンテンツを堪能できるけど、当時の童貞氏には女の体はまさに神秘の世界だったのかもね。昭川)

この映画では津山事件を語る上では外すことのできない都井の「姉さん」に当たる人物は登場しませんが、代わりに継やんのイトコくらいの親戚で幼馴染の《やすよ》(役:田中美佐子)という相思相愛のイカスヒロインが登場します。
この人物は実際の津山事件ではいないタイプのキャラクターなので、余りここで書きますとネタバレとなります故に控えておきましょう。 このオナゴとのチョメチョメシーンがあるかどうかなんて口が裂けても言えな ある!(※もしかしたら「姉さん」が出てこないことや特にターゲットにしていたにも関わらずトンズラされた女性(よく「ゆり子」の仮名で記録されている娘)に該当する人物がいないことが気に入らない人がいるかも。昭川)
また、劇中には継男が近所の子供を集めて物語を聞かせたりという場面がありますが、これは都井睦雄も同じで、その他「集めた銃や武器を警察に取り上げられてしまう」等の細かな下りもいちいち「津山事件の事件史の記録」をよく表現した内容となっています。

継男は都井同様におっそろしー「肺結核」にかかってしまっていたのですが、それが発覚するまでは寧ろオナゴ達の方から継やんを「ちょっとだけよ~。あなたも好きね~。」みたく誘惑。 村一番の秀才でイケメンでスラッとしているとあっては、自然とスキモノなオナゴ達も張り切ってしまったのでせう。 というか古尾谷さんは背が高すぎ。188㎝で都井より22㎝位高い。(※当時の188㎝は巨人だったかもね。昭川)
夫が兵役中で、寂しさを紛らわす為に継雄以外のエロ河童とも夜這い関係にある《えり子》さん(役:池波志乃)に、子沢山で「熟女の色気」を放ちながら自ら継やんに夜のお誘いを始める《みお子》さん(役:五月みどり)。 一人と関係をもつと、その情報があっという間に他の女性にも広まって色目を向けてくる様になる。ノッテルエロの連鎖を感じます。
最初にえり子さんに非常に圧迫力高めな感じの「着たまま手コキ」で一瞬で抜かれてしまったイカサナイ童貞継やん(多分)も、覚えればすっかりSEXにハマってしまったやうです。(※おなご達にとってもセクロスはスポーツであったことが伺える表現?昭川)

しかし、継やんが肺結核で兵役検査に不合格となった情報が広まると、それまで親しかった人が継やんと口も聞かなくなったり、夜這いも断られる様になったり、自分に優しかった娘(役:大場久美子)が病気に気付いた途端に態度を一変させたり、兵役につけずに色んな意味でブラブラしていることを罵られたりと一気に継やんを取り巻く環境が「ヒジョーにキビシィー!」状況に陥ってしまいます。
まあでも当時の感覚としては肺結核だから距離を置くのは「当たり前田のクラッカー」ですし、継やんに対する「オナゴ達の変化」の描写は津山事件に比べるとかなり緩いかもしれません。この事件の重要要素である集団で継やんを蔑視する様な当時の「村社会の陰湿さ」の表現が不足している様に思います。実際の津山事件では都井の夜這いを追い払った時の話や、罵倒して都井が土下座して謝る様子等を、あることないことオナゴ達が村中に言いふらしたりしてかなり徹底的だった模様。
なのでこの作品だけでみるとあれだけの大虐殺を起こす様な状況や動機付けには弱く、ストーリー的には飽くまで実際の「津山三十人殺し」か或いは原作を知っていて、犯人の動機やら何やらも前もって「あたりきしゃりきのこんこんちき」で理解している人が見るものなのかなという感じはしないでもありません。(※私も本投稿に際して視聴したけど、確かに殺人鬼を生み出す程の陰湿さかは疑問に感じた。これ程事件史に対して忠実な背景の中で製作する場合は、そういった人間の本当の闇の部分にも踏み込んだ表現をした方が作品の価値がマンモスになったかも?昭川)

こうして怒りの中で武装した継やん。 余り小銃関連は詳しくないのですが、使用された銃が都井睦雄のブローニング猟銃に対してショットガンっぽい形状に見えるのですが、後は日本刀に匕首を2口と津山事件の装備そのまんまでしょうか。
頭には布で巻き付けた二本の懐中電灯に胴には自転車用のナショナルランプ。 脚にはゲートルをまいて軍服の様な出で立ち。 そして夕暮れ時に電線を切断して事前に村を停電状態にしたり、最初におばやんの首を斧で叩き切るところから虐殺がスタートする辺りも事件史の都井が取ったとされる行為そのまんま東です。 (※この最初の犯行を踏みとどまっていれば「都井ストーリー」も生まれなかったかもね。昭川)
恐れおののきながら転ぶ様に逃げ惑う村人達を追い詰めながら仕留めて行く。 所々継やんの視点に切り替わったり、凄惨でありながらどこか引き込まれてしまう津山事件の姿を臨場感溢れる映像で鑑賞可能な作品に仕上がっているやうです。 「グロい」に該当する表現は殆どナッシングなので、そっち系のフェチを求めているナウ過ぎるアバンギャルド思考の人には物足りないかも知れません。(※個人の乾燥だす。昭川)

モチのロンで継やんに殺られるのはオナゴ達だけではありません。 ターゲットのオナゴの家族であったり、病気の件で避けていたり、オナゴを守ろうとしたりした数々のオッサン達やオノコにもその狂気の矛先は容赦なく向けられます。 都井は命乞いした者を見逃したり ということもありましたが、本作でも一部のターゲット以外のグルウプを見逃す場面を確認しています。(※実際の事件でも当然振ったオナゴ達だけでなくオノコ達も犠牲となっている。昭川)
オノコ衆の中には《赤木勇造》という村のボス的存在で、悪さをするよそ出身の村人に目をつけてリンチをかけて殺したり、取り巻きのオノコ衆に夜に不審者がいないか見回りをさせておきながら自身は村のオナゴ達と夜這いで宜しくやっている感じの非常にイカレポンチな輩もいて、このキャラは津山事件の情報で《寺川倉一》《寺元倉一》等の名前(共に仮名)でお馴染みの人物に当たる様です。

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